今年もわが社に新入社員が入った(1)
この厳しい経済環境の中、正直採用することに迷いがあった。確かに我々の様な中小企業にとって人材採用は、最も重要な資産形成のひとつであるが、今この時期に如何なものかと自問自答していた。
その迷いを払拭してくれたのが、昨年入社の新人達だった。九州六大学野球で活躍したフットワーク抜群のN君、冷静で常に客観的に物事を判断できるYさん、情熱的で責任感の強いMさん。
この3名の1年間の成長を振り返ったとき、それは消えた。
この3人の成長は目を見張るものがあった。もちろん1年目の新人に完璧を求めることは出来ないが、及第点をはるかに超えた2〜3年くらいの中堅と伍す位の出来栄えである。周りの教育や応援がそうさせたこともあろうが、何より我が社の採用基準や「人を見る目」が正しかった事が嬉しかった。
今年の新人はたった一人だ。そして女性だ。
採用活動の中で100数十名の中からわが社の 「人を見る目」で選んだ逸材だ。 東日本の震災で、採用が取り消しになり、また採用した会社そのものが無くなったり、多くの学生の輝かしい出発までも一気にのみこんでしまった。 この年に入社したことを彼女もそして向かい入れた我々も、決して忘れないだろう。
2011年4月1日 たった一人の入社式を市内ホテルに於いて質実にも明るく執り行ない、そして彼女のいかにも新人らしい高らかな宣言で終了した。1年後、彼女の成長が、また次の新入社員にリレーされる事を真に願いたい。
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